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引きこもりの炒飯

引きこもりの炒飯
テスト

投稿日:2025年2月24日

更新日:2024年11月19日

社会との繋がりを断ち切った一人の大学生は、無機質な目をしながら冷凍炒飯を冷蔵庫から取り出した。部屋の中は散らかったままで、机の上には使い古した教科書と空のペットボトルが乱雑に置かれている。彼は何かを気にする素振りも見せず、電子レンジに炒飯を差し込み、無表情でタイマーを回した。

電子レンジが動き始める音だけが、静まり返った部屋に響く。大学生はその間、スマートフォンを手に取ったが、通知は一つもない。SNSを開く気力すら湧かず、ただ黒い画面を見つめるだけだった。結局、彼はスマホを机に放り投げるように置き、椅子に体を沈めた。

かつてはサークルや講義で賑わっていた彼の生活は、今や単調で冷たいルーチンに変わり果てていた。冷凍炒飯はその象徴のような存在だ。誰かと分かち合うこともなく、ただ生きるために必要なエネルギーを補給するためだけの食事。

「チン」という電子レンジの音が鳴り響くと、大学生は重たい足取りで立ち上がり、レンジを開ける。熱い湯気が一瞬、彼の顔にかかるが、その表情は変わらない。炒飯をそのまま皿に移し、机に戻る。

温かな食事でさえ、彼の心には何の変化ももたらさないのかもしれない。しかし、どこかでこの小さな温もりが、閉ざされた心をほんの少しでも溶かしてくれることを、誰かが願っているのかもしれない。